図書館システムのサポートして10年経ったけど、これからどうしよう?

気がつけば図書館システムのサポートを担当してまる10年に。
図書館の事もシステムの事もまったく知らない状態で入社して、結局今でも分からない事だらけ。
図書館業界に対する憧れも目的意識もなかったけど、なんだかんだで続けられた。居心地がいい業界なんでしょう。
けれど、さてこれからどうしよう?という話。別に転職する気はないけれど。

 

やってきた仕事を簡単に説明しておこう。
担当している図書館システムというのは、蔵書管理や貸出業務を行う基本的なやつと利用者向けのOPACくらいまで。
この図書館システムを全国の図書館回ってセットアップして、操作説明をするのが主な役割。

 

担当している図書館システムは、入社した時点で初期版から20年経過していて既にほとんど完成していたと思う。
そこから10年、毎年バージョンアップはしていたけど大幅な機能アップみたいな事はあまり思い出せない。
NDLから提供される書誌データをダウンロードできるようになったり、OPACに書影が表示されたりした時は結構便利ですごい事だと思ったけど。
結局のところ従来からある図書館システムは、もう冷蔵庫とか洗濯機の様な家電製品の様な位置づけで最新のものは色々すごいらしいけど、5年前10年前の製品でも運用できるよねという状況だと思っている。

 

そんな状況なのでサポート業務と言っても業務内容は限られている訳で、設置の手伝いして使い方説明して、エラーが出たら呼ばれ、壊れたら修理してと洗濯機のサポートと変わらない。機能が充実していかないなら追加で覚えることもほとんどなくて、数年やればだれでも同じようにできると思う。
そうは言っても、どうにか付加価値をつけようとして洗濯機のメーカーが洗剤の選び方やら洗濯物の干し方をアドバイスするように、プリンタの設定したり、Excelの使い方説明したり、カーリルを紹介したり、書誌調整の相談に乗ったりするようになるんだけど。その辺は各々個人の技量/裁量によるところが多い。

 

入社してから取り組んだことのひとつは、使い勝手の向上だろうか。
必要な機能は確かに備えていたけれど、使い勝手はイマイチな点は結構多くて改善要望をたくさんもらっていた。
実際に使われている現場の感覚が分からなくて、自分の机に本並べて図書館ごっこ始めた。
その後、図書室作ることになって勝手に館長名乗ってブログ始めることになった。
システムの使い勝手が向上したかは分からないけれど、予算要求の大変さとかは少し理解できた思いがした。

 

きっかけは覚えてないけど、いつの頃からか社外の交流会とか勉強会に参加するようになっていた。
今まで図書館システム周辺の事しか見ていなくて、図書館にたくさんの話題があることに気付いていなかった。
色々な話題に触れるのは刺激的だったし、勉強になった。

 

その一方で、目の前の仕事と話されている話題の距離感が気になりもした。
盛んに話されるアクティブラーニングの話に、図書館の業務管理システムがどう関わればいいのか分からないという具合に。
でもほんとに悩ましいのは、電子リソースの管理とかそういう話題。図書館システムっぽい話題だけど高性能な洗濯機に取り組んでいても、空気清浄はできないでしょとでも言わんばかりの疎外感。

 

この先も当面図書館システムは必要とされ続けるだろうし、改善要望もたくさんあるし何も考えなくても一定の仕事はあるだろうけれど。何か盛り上がりに欠けるし、いささか退屈な感じがしている。
他の課題解決に乗り出すでも、別の技術借りてくるでも色々進展はありそうだけれど、さてこれからどうしよう?という思いである。
10年やったけど達成感より、もどかしさの方が強い節目だな。

都道府県立の横断検索はすべて「カーリル Unitrad API」に置き換わる?


"もう検索中にお菓子は食べられへん。"
試せされた方は分かると思うけど、速すぎてビックリですね。
ちょっと気になったのは、詳細検索で分類とか出版年指定してもきちんと絞り込まれない。
精度よりも再現率を重視というコンセプト?
今までの横断検索と根本的に違うっぽい。
まぁシステムの素晴らしさは一旦置いといて、
今回のプレスリリースで衝撃を受けたのは既存の市場に本格的に参入することだったりする。
横断検索の速さという技術力だけでなく、価格も提示しているところがポイント。
今までカーリルは一般利用者向けのサービスだったので、各都道府県の横断検索システムはそのまま共存していたが状況は大きく変わりそうである。
"カーリルは数年以内に使えない横断検索システムを駆逐したいと考えています。"という挑戦状に対して各ベンダーがどういう手を打つのか興味深い。
選択肢はいろいろあると思うけど、すぐに思いつくところで。
①カーリルより使えるものを作る。
②価格競争をする。入札であれば、最低限必要な仕様を満たしてあとは価格勝負。
③カーリルに乗っかる。検索エンジンはカーリルでインターフェースだけ作るとか。ILL連携など追加機能で頑張るとか。
④撤退する。横断検索に割いていたリソースを、業務用のシステム開発に。
⑤何もしない。既存のシステムが優先される可能性も高いので。
実際ベンダーの動きは、図書館側がどういう声を挙げるのかにもよると思うけど。
横断検索の"使える"、"使えない"をどう捉えるか?
ほんとに「速さ」が重要ならカーリルが席巻するか、もっと速いサービスが出てくるだろうし、
他に大切な「機能」があるなら、それに応じた形の横断検索が出てくると思う。
今回のカーリルの発表は、図書館もベンダーも横断検索について考えるいいきっかけだなと思う。
数年後のシェアの移り変わりは分からないけど、何らかの形で今より使える横断検索が出てくると思う。
出てこなったら、カーリルすげぇではなく、図書館業界思考停止やべぇという状況だろう。
【プレスリリース】 「カーリル Unitrad API」の運用を開始します
http://blog.calil.jp/2016/04/unitrad.html?m=1
京都府図書館総合目録 (カーリル Unitrad APIを採用した横断検索)
https://www.library.pref.kyoto.jp/cross/cross.html
京都府立図書館の新システム(KMSI構築)リリースへの反響-カーリル Unitrad APIの衝撃-
http://togetter.com/li/960347
横断検索ナビ-Jcross
http://www.jcross.com/navi/

第17回の図書館総合展の感想

第17回の図書館総合展の感想を書き留めておこう。
今年はTUTAYA図書館問題とか新潮社からの貸し出し猶予要請とかもあり、世間一般からの注目もそれなりにあったのかな。夕方に制服姿の女子高生を何組か見かけたのは、図書館戦争の影響かな。
今回参加したのはフォーラムは1つだけ。あとは3日間ブース番、ちょいちょい店番さぼってブース見学でした。
まずは参加したフォーラム「情報の魔法を図書館にかける~体感できるデジタルデータ」の感想。
研究内容も含めて非常にわくわくさせられるものでしたが、それは一旦置いといて。
考えさせられるのは、テキストや映像くらいしか図書館は提供できていないが、情報空間のサブセットとなっている物理空間を情報インフラたる図書館が今後どう提供していくのか?と言った話。扱う対象物の境界が図書館も博物館も美術館も曖昧になる状態で、図書館が果たす役割を再確認したうえで、既存の図書館が書き換わっていくのを想像したらとても楽しくなってくる。
フォーラムの内容を簡単に要約できないので、ぜひ公開されている動画記録をぜひ見てほしい。
「情報の魔法を図書館にかける~体感できるデジタルデータ」
http://www.libraryfair.jp/forum/2015/1799
ブース番の感想としては、今回は隣のブースとの境界なしという形だったけど、大した打ち合わせもなくてもつつがなく3日間やり通せという感じ。
その背景にあるのは、日頃から図書館の交流会などで顔を合わせでおり、互いのサービスについての理解ができていたおかげで臨機応変に対応できたことだと思う。
色んな出展者がいてシステム開発が得意な会社もあれば、提案を特意とする会社もあり、連携していけば、新しいものが創造できそうだという感触は得られた。
まぁ、全体で見れば図書館の交流イベントに参加する企業担当者は少ないし、「出展者」名札でブースに挨拶行くと警戒されるしなかなか連携していこうっていう雰囲気にはなってないけど。
ブース会場を回って感じたのは、トキャラと学生とペッパーの多さ。

学生の参加はここ数年増え続けていると感じてますが、今年はさらに増えたという印象。
図書館サポーター制度の広がりか、関連したポスターやブース出展などが目立っていました。図書館サポーターの活動とかの話を聞くと、なるほどと思う改善案が出てきて学ぶことが多い。へーと思った話のひとつとして、
下の写真は東京家政大学の学生ボランティア団体「Library Mates」の作ったグッズだけど、試行錯誤を重ねていて新しく作ったものは袋を開いたときのクシュクシュ音がしないようにと材質にこだわったり、紙芝居が入るサイズに変更にするなどの改良を積み重ねてるんだとか。ただ可愛いだけじゃないんですね。グッズ作っている図書館サポーターは多いし利用者に喜ばれるノウハウとかは結構みんな持ってるのかな。

個人的には学生の参加は歓迎で、これからの図書館を盛り上げていくには、業界に関する様々な情報を互いに共有していくことが望ましく、図書館総合展は格好の場だなと改めて思った。
と言っても、総合展のベースは商談の場だと思うので、学生さんには興味を持った製品やサービスを先生や図書館にぜひねだって欲しいし、図書館員は予算獲得を全力で頑張って欲しい。

GoogleMapsのApiで遊んでみた

シルバーウィークに夏休みをちょい足して大型連休にしたはいいものの、急な出費があったりと先立つものがないので旅行にも行けずのんびり自宅で過ごしています。
旅行の代わりではないですが、GoogleMapsのApiの使い方を学んでみました。
作ったのは下のサイト。実装したのは2つ。
山手線map
http://nagumonn.com/yamanotemap/yamanotemap.html
1個目の機能として作成したのは、ほぼチュートリアル通りの定番。
上部の駅を選択してマーカーを表示する。
マーカーを選択すると情報ウィンドウを表示する。
情報ウィンドウにWikipediaのリンクを張る。

機能を学んでいて面白いと思ったのは、マーカーのアイコンを変更できる点。
そこで、2個目の機能も実装。
上部のスライダーの値以上の乗車人員以上の駅にイメージアイコンを表示する。

今回は、乗車人員に応じてアイコンの大きさを変えたりしたのだが、
図書館の統計データをもとに地図上にマッピングしていったら面白い景色が見えたりするのかなと思ったりした。

SLiiiCサマー・ワーク・キャンプ2015に参加しました

少し前に初日だけですがSLiiiCサマー・ワーク・キャンプ2015参加したので感想を書き留めておきたいと思います。
サマー・ワーク・キャンプ2015「学校図書館と生涯教育」
http://www.sliiic.org/?page_id=635
SLiiiCサマー・ワーク・キャンプ2015まとめ #SLiiiC
http://togetter.com/li/872034
午前の部は「学校図書館と公共図書館がつながるために」というテーマで高井陽さんのお話。不思議なショートコントから始まりでしたが、高校時代に図書室の準備室に入り浸っていたら、そのまま図書委員になり、その時の体験が今の図書館員としての礎となっていると言った様なお話でした。
興味深かったのは、当時の学校司書が師匠であり、今でもつながりを持っているというところ。スポーツ選手が恩師や母校のために学校訪問という話をよく聞くが、図書委員などの活動でも同様に大きな影響を与えることができるということを示唆していた点です。
午後の部は、都留文科大学の図書館サークルLibropassの活動報告と白百合女子大学の図書館ピアサポーターLiLiAの紹介。
Libropassの活動報告の中で、講演会を開催という様な内容があり梅ちゃん先生の男前ぶりが延々と紹介される場面があり笑ってしまいました。
たぶんその時の講演会のスライド
【梅澤貴典氏】世界の図書館に行ってみたくなる話(都留文科大学)前半【講演会】
http://www.slideshare.net/libropass/ss-42992001
【梅澤貴典氏】世界の図書館に行ってみたくなる話(都留文科大学)後半【講演会】
http://www.slideshare.net/libropass/ss-42992076
本題に戻りますが、こういった学生サポーターになった動機が図書委員の活動だったりする人も多くて午前のお話に繋がっていると感じました。実際図書館員に話を聞けば、図書委員経験者は多い印象です。
小学校から大学まで学生の体験を続いているのに、学校図書館と大学図書館の業界の接点が分離してしまっているのはもったいないなというのが何と言っても今回の一番感じたことでした。
午後の部は、その後みんなでPOP作成、学生によるビブリオバトルと続いていきます。
そんなわけで人生初めてPOPを作りました。落ちとして掲載しておきます。
イラストで学ぶ 人工知能概論 谷口 忠大(著) がテーマです。

 

NACSIS-CAT/ILLは今後どうなっていくんだろう?

先日、大学図書館問題研究会 第46回全国大会(札幌)に参加してきました。
私が参加した分科会の一つがこれです。
第4分科会 情報組織化
テーマ: 「これから」のNACSIS-CAT/ILLと学術情報流通
http://www.daitoken.com/research/annual_conference/2015/section.html#s4
NACSIS-CAT/ILLは大学図書館の業務を考える上では切り離せない存在ですが、未だにきちんと理解できていません。
ですが、それは置いといてNACSIS-CAT/ILLについて感じてきたことなどを書いてみたいと思います。
私はNACSIS-CAT/ILLのシステムを使うというのは3つのステップとして理解しています。
1.書誌を作成する。(NACSIS-CATを使って共同分担で目録を作成する。)
2.所蔵を登録する。(各図書館の所蔵している資料を明確にする。OPACの様な役割)
3.相互貸借する。(所蔵情報を基に、NACSIS-ILLを使って貸借する。)
まずは1.書誌を作成する話。NACSIS-CATの素敵な所は、何と言ってもみんなで書誌を作ってシェアしあいましょうという所だと思います。
各図書館が個々に作成することに比べたら、本当に効率的な仕組みだと思います。
書誌調整もしっかりしており、きちんと規則に基づいたデータが整備されているのもいいです。
ただ規則や、書誌構造を理解するのが大変で、不慣れな担当者には辛いところです。
分かりにくい図書館用語など話題になることはあるが、「典拠コントロール」「バランスしない書誌」など理解に苦労する用語が多いと感じていました。
共同分担のはずなのに書誌作成をしていない図書館はいっぱいあるけれど、決してフリーライドしようと思っているわけではなく、難しくて手が出せないという点が多々あると思っています。
不完全なデータで書誌登録したりすると、他館から指摘が入るし、誤って登録したレコードの削除の仕方も分からなくてあせるし周りに迷惑かけるだけだからやめておこうという気持ちはよくわかります。
NACSIS-CATに書誌がない場合は、目録作成センターに資料を送りましょうみたいなフローがあると、不慣れな方も協力しやすいのかなと思います。
NACSIS-CATの仕組みは素敵ですが、近年NDLも書誌情報の提供サービスを始めたし、民間企業の作成するMARCもあるので、業界全体で考えるともっと効率化の余地はあるのかなと思います。
またNACSIS-CATのデータを使いつつも、各図書館が使っているシステムデータには目次情報や検索用のキーワードを付与している様なので、この辺りも共有できていくともっと便利だなと思います。
すでに日外アソシエーツのBOOKデータASPサービスといったプラスαのデータを提供している民間サービスがあるので調整は必要だと思いますが。
続いて所蔵を登録する話。
所蔵登録することで互いにどの資料を持っているか把握することができる様になるのですが、今やほとんどの大学図書館はOPAC公開しているので二度手間だなという感じはしています。
カーリルのように各図書館のOPACを横断検索すれば、所蔵情報の確認は事足りてしまうのではないかという気もします。
まぁ現状のOPACの応答速度なんかを考えると、全国の大学図書館OPACの横断検索の仕組みを作っても業務にまともに使えるシステムにはならなそうですが。
最後に相互貸借する話。二度手間だと思いつつも所蔵登録をしておくとことで、互いに相互貸借することができます。
FAXなり電話なりでもILL業務はできますが、NACSIS-ILLのシステムを通すことで依頼/受付の件数の把握とか、料金相殺ができるとかメリットは大きいです。
ただ図書館の貸出と言えばバーコードでピッピッとする簡単イメージなのに、NACSIS-ILLで図書館同士の貸借となると全然直感的でない状態遷移図に沿って進めなきゃいけないのには一苦労です。
CATの難しさは情報管理の上で必要なことと理解できるが、ILLシステムの分かりづらさはいまひとつ許容できないでいます。
一般的なILLシステムの操作の流れとして書誌を検索→所蔵館の確認→貸出依頼という流れだと思います。
実際のところNACSIS-CATに書誌がなかろうが、所蔵登録してない館だろうかNACSIS-ILLのシステムを通じて依頼がだせるので、CATとILLは密接に見えて切り離しができるのかなと思うこともあります。
制約が少ない方が、システム設計は柔軟にできますし。書誌所蔵の縛りがなくなると、例えば専門図書館との連携と言った方向性も考えられるかもしれません。
とくに、まとめらしい事もないのですが、やはり今後どうなっていくのか気になります。
多くの図書館が恩恵を受けられる仕組みであって欲しいですし、何よりその先の利用者に恩恵が波及していく仕組みになってほしいですね。

CiNiiで続けて検索したい

調べようと思っている単語リストが手元にあるのに、一個ずつ検索窓にコピペしたことはないだろうか?
リストが多い時は、はエクセルでベースのURLと検索ワードを連結させて、それをハイパーリンクにするという事をしてました。
ブラウザとエクセルを並べてぽちぽちする感じです。

この方法も便利なんですが、やっぱり下準備がちょっと手間です。
ブラウザによっては、日本語のキーワードだと検索できなかったりするし。
そんなわけで、登録したキーワードをクリックして検索するサイトを作りました。
CiNii連続検索
http://nagumonn.com/CiNiiContinueSerch.html

キーワードの入力欄は、エクセルで選択したセルやCSVをコピペ入力できるようになっています。
(テキストエリアからフォーカスが外れたタイミングで整形されます。)

検索先は「Articles」「Books」「Dissertations」に対応しました。
おまけとして、登録したキーワードをまとめて「OR」「AND」検索ボタンと、
テキストファイルを取り込んでキーワードを入力できるようになっています。
ほとんど自分の都合に合わせて作ったものですが、気が向いたら使ってみてください。

「大学図書館員のための「Web API入門」参加しました。

大図研オープンカレッジ (DOC)「大学図書館員のための「Web API入門」参加してきました。
http://d.hatena.ne.jp/dtk-doc/20150408/1428464462
歴史から事例までいろいろ勉強になりした。
当日の発表資料公開してくれています。
WebAPI入門|高久雅生(筑波大学図書館情報メディア系)
http://www.slideshare.net/tmasao/web-api-49080729
「斬新さ」より「柔軟さ」でみるWeb API|常川真央(アジア経済研究所)
http://www.slideshare.net/tsunekawamao/web-api-49369769
まとめサイト
第23回大図研オープンカレッジ「大学図書館員のためのWeb API入門」#dtk_doc
http://togetter.com/li/831992
せっかく講演を聞いたので、手を動かしてみようと思いCiNiiで複数のキーワードをまとめて検索するページを作ってみました。
というのも、先日企業図書館の事例を調べようと思って、専図協の会員機関に掲載されている企業図書館名で手当たり次第検索するという事をしていたのですがめんどうでめんどうで。
そんなわけで、検索したいキーワードリストを書いたテキストファイル(CSV/TSV形式)を読み込んで、まとめて検索する仕組みを作りました。
ニッチな要望を自由に叶えられるWebAPIはやっぱり便利ですね。
CiNii連続検索
http://nagumonn.com/CiNiiContinueSerch.html
 

図書館員は巷の読書会についてどう考えているんだろう?

先日、読書会の運営者とお茶会をする機会がありました。
ここでいう読書会というのは、まとめサイトに挙がっている様なコミュニティです。
雑誌などで時々特集されている朝活とかそういうやつです。
ゆったりしたものからガツガツしたものまで雰囲気はコミュニティによって全然違うと思いますが、ほとんど参加したことないので実態はよく分かりません。
・読書会まとめ@東京
http://matome.naver.jp/odai/2141472029976214901
こういった巷の読書会を図書館の人たちはどう思っているんだろうというのが気になったところです。
「読書会 図書館」でgoogle検索したら結構Hitしたので、まずは図書館の活動について調べてみました。
お世話になっていた調布図書館でも、一冊の本を読み、互いの読後感や意見を学び合うという形式で定例開催しています。
ただ、平日昼間の開催なので社会人は参加しづらいです。
他の図書館も読書会を開いていますが、時間帯はまちまちです。どこの層をターゲットに設定しているのだろうか。
・読書会-読書推進事業│調布市立図書館
https://www.lib.city.chofu.tokyo.jp/dokusin/dokusin_dokusyo.html
学校図書館も読書会には熱心な様で、全国学校図書館協議会では読書会コーディネータ養成講習会が開催されています。
また、朝日新聞と一緒に「どくしょ甲子園」という読書会コンクールも主催しています。
読書会で議論した内容を、一枚のボードにまとめるという物ですが、サイトに掲載されている優秀作品のレベルの高さにびっくりします。
・全国学校図書館協議会|セミナー・研究会|2014年度 読書会コーディネータ養成講習会のご案内
http://www.j-sla.or.jp/seminar/dokusyokaicoordinator.html
・朝日新聞社インフォメーション | どくしょ応援団 -どくしょ甲子園
http://www.asahi.com/shimbun/dokusho/koshien/
読書会では、持ち寄った本を紹介しあうというスタイルもポピュラーな様です。
形式に則れば、そのまんまビブリオバトルですね。
東京都立図書館にもビブリオバトルの解説ページありますし、図書館業界ではすっかり市民権を得ている感じがします。
学校でも大学でも色々イベントが開かれています。
・東京都立図書館_ビブリオバトル
http://www.library.metro.tokyo.jp/home/news/tabid/3700/Default.aspx
・CA1830 – 新しい本の楽しみ方「ビブリオバトル」の多方面への展開動向 / 吉野英知 | カレントアウェアネス・ポータル
http://current.ndl.go.jp/ca1830
利用者向けのイベントではないですが、研修の一環としてTRC東京文化祭で読書会が開かれたようです。
テーマの本についてフリースペースで思いゆくまで語りあう形式の様です。
「おすすめのYA本!」なんてテーマで話し合うのが、いかにも図書館員っぽいです。
・株式会社図書館流通センター(TRC)| スタッフのキャリアアップイメージ (採用情報)
http://www.trc.co.jp/test/recruit/index.html
ここ数年、図書館総合展で巨大なブースで目立っているのは帝京大学メディアライブラリーセンター企画の共読ライブラリー。
読解力、理解力等の学習基礎力向上とアカデミックスキルの獲得のための「読書術コースウェア」なんてのもやっている様です。
・共読ライブラリー
https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/tos-kyodoku.html
という感じで、図書館業界でも色々なスタイルで読書会を開催している事例はたくさん見つかります。
しかしながらが、巷の読書会との接点はあんまり見つけられなかったです。
まずは、墨田区ひきふね図書館の事例。
まとめサイトにも載っているソーシャルリーディング・コミュニティ「Read For Action」ともコラボして、読書会を企画している様です。
読書会の企画は「墨田区ひきふね図書館パートナーズ」というボランティア団体が中心で行っているようですが。
・墨田区ひきふね図書館パートナーズ
http://hikifunetoshokanpartners.jimdo.com/
・ひきふね図書館コラボ!ビジネスマンのための教養講座『積ん読解消!読書会』
http://www.read4action.com/rfainfo_detail.php?rfaid=649
もう一つは三条市立図書館の読書会。
読書会の運営者を集い、図書館内での催し。現在23の読書会が参加している様です。
施設提供だけなら、他の図書館もやってると思いますが、図書館としてどの程度関わっているかですかね。
・三条市立図書館 読書会
http://www.city.sanjo.niigata.jp/library/dokusyokai/index.html
図書館員が個人として巷の読書会に参加したという報告なども探したけれど見つけられませんでした。
以前に、読書会主催のビブリオバトルの様なイベントに参加した際に、図書館員と名刺交換したので参加されている方がいるのは確かですが。
逆のパターンで、図書館イベントに読書会の運営者が参加した事例は見つかりました。
・千代田区立日比谷図書文化館で開催された「東京図書館制覇!竹内庸子さんとこれからの図書館の使い方を考える~利用者による自発的な参加~(「新しい図書館学」第2 回)」のfacebookコメント
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=360123450725359&id=213313818739657
・参加レポートvol.8『図書館を愛してやまない人飲み会(ソフトドリンク有り)』 | ええやん朝活
http://eeyanasakatsu.com/post-206/
色々なサイトを見てみた結果として、予算規模の違いによるものを除けば図書館と巷の読書会のイベントは似たようなことをやっているという印象です。
では運営上手、集客上手はどっちか言われるとちょっと難しいです。
社会的な信用度からみれば図書館イベントに人が集まりそうですが、巷の読書会の中には集客がうまくいって法人化したり、大学の公開講座任されたりしているところもあるようです。
適切な例えかは分かりませんが、かつて大手銀行と消費者金融がこぞって手を結んだように、互いに情報交換したり連携したりすることで、社会的信用、マーケット、運営手法と色んなところでシナジー効果が生まれるかなと思います。
まぁでも、冒頭で言った通り、読書会の事は良くわからないのでちょっと色々覗いて見て改めて考えようかなと思います。
朝7時開始の朝活とかはしんどいので、ゆるめのやつからで。

図書館システムダメ出しがもっと盛り上がればいいのに

近況報告ですが、組織改編の名のもとに図書館回り専門の部隊に配属されました。
年間に100箇所くらいの図書館・図書室を回る事になるようです。
「#図書館システムダメ出し」が盛り上がっていましたが、訪問先でダメ出しを集めるのも仕事です。
「とても簡単そうなシステム改善が簡単に直らない」というのは、ほんとその通り。
実際のところ、挙がってくるダメ出しに対応できる開発リソースが足りず、図書館システムにかけてもらえる予算が小さいのでエンジニアの数を増やせないというのが各ベンダーの状況だと思います。なのでダメ出しが積もり続けるというのが現状だと思います。
市場が大きくなれば解消されていきますが、そんな気配はなく一朝一夕にはいかないでしょう。
と言ってもやっぱりダメ出しは大切で、図書館の現場の状況を色々気づかせてくれます。
「10分休みで50人捌くには1クリックの時間すらおしい。ショートカットキーの実装を。」
「貸出時は絶対に片手はバーコードリーダーを握ってるわけだから、自由になる左手(指1本)で全てをしたい。」
こういうのは、机上で議論してても分からない典型ですね。
情報共有することで、少しでもシステムのちくはぐな所が減るといいですね。
もうひとつ。図書館システムを直そうと思った時に、さてどこから手を付けようかという判断材料としてもダメ出しは参考になります。どの業界でも同じだと思いますが、マーケティングの一環としてユーザーの声を集めて分析し、限られたリソースで何を実現するかを考えますよね。
#図書館システムダメ出しが継続的にたくさんつぶやかれていくと、統計的に意義ある情報になっていくんじゃないかなと思ってます。幸いにも、図書館業界は情報(データ)の扱いが上手な人が集まってますから、面白がって分析してくれる人が結構いるんじゃないかと期待してます。
ちょっと残念なのが、ハッシュタグがダメ出しとなっているからか、遠慮や気遣いで発言しにくい雰囲気が出てることです。
ダメ出しとせず、#図書館システム だったら良いも悪いも含めてもっと色々情報共有できるのかな。