アーキビスト・カフェ【第11回】「文学館研究から見るMLA」に参加してきました。
博物館(Museum)・図書館(Library)・文書館(Archives) Aだけは一般市民向けでなく、研究者向けという感じがしていたので、MLAのどの領域も学問的に学んだことがない私には敷居の高さを感じいたのですが、アーキビスト・カフェに関して言えば杞憂にすぎませんでした。
主催者、参加者とてもフレンドリーな感じでした。
発表についての概要
「文学館研究から見るMLA」:岡野裕行さん
●文学館研究へ至るまで
・数学と国語が好きで、理系でも文系でもない図書館情報大学に進んだ。
・学部時代は文学の研究をしたが、文学と図書館情報学を繋ぎたいという意識がある。
・書誌(学)は文学と図書館情報学を結ぶキーワード
・調査の為に文学館に赴くうちに文学館そのものの研究を始める。
□図書館情報学の世界に、文学館研究と言う視点は今まで無かったが、文学館の抱える課題などは図書館と共通する部分は多く、図書館情報学の中で研究対象として捉えるものとして問題提起したい。
●MLA連携について
・MLA連携と言っても、外なるMLA(連携)と内なるMLA(融合)がある。
・文学館は1施設で展示、保存、情報提供を行うので内なるMLA(融合)という性質
・でも、M、L、Aのいずれでもないので、MLAでない適切な言葉(表現)を模索
□文学館の研究はいろんな分野(図書館情報学、博物館学、アーカイブ学、近代文学…)と係わるので各分野をつなげる活動をしながら、学問的な領域を確立していく。
感想
内なるMLA(融合)という考えをあまり意識した事がなかったが、1施設でMLAの要素をすべて持つということは資料の見せ方(活用の仕方)を選択できる面白みがあると感じた。
資料の見せ方を選べるという事は、お金の集め方を選べるという事でもあると思う。
資料展示に力を入れて幅広く利用者から集める。観光スポットとしての役割を果たせれば地域一丸の経営を望める。情報提供に力を入れれば研究者からの寄付金を集める事が出来る。・・・
資料を長期的に保存をしていくにはお金が必要で、その費用のすべてを各自治体からの援助だけでは足りなく各施設でしっかりとした経営を行う事が必要だとやっぱり思うので。
個人的には、あまり文学研究に興味はなく研究者視点ではなく、1市民なり、1観光客としての視点で考えてしまうのだが、そういう意味では文学館もちょっと敷居の高さを感じる。
前提知識がないと楽しめないという展示だと、みんなで観光しようという気にはなれない。
トリックアート展のような、作家とか作風とか知らなくてもわいわい楽しめちゃうような体験的な要素があると嬉しいのだが。
会場となった賀川豊彦記念・松沢資料館の展示で興味をひかれた資料の写真を載せておきます。
化学将棋 原子カルタ 星図カルタ ルール覚えるまで大変そうだけど面白そうだ。