3月16日に行われた学校図書館教育研究会 第14回研究会に参加してきましたので、忘れないうちに感想を。
[テーマ]
「学校図書館の戦略作りを体感する!?」
グループワークを取り入れながら、学校図書館のありたい姿を実現すべく、戦略を立てていきます。
[講師]
十文字学園女子大学 21世紀教育創生部 講師 石川 敬史氏
イントロダクション
様々な学校法人や図書館のビジョンの紹介を踏まえながら、
ビジョンを明確にする必要性などを説明してもらう。
その上でビジョンを実現するための戦略を立てる手法を学びましょうという内容。
グループワーク
バランススコアカードを準用して戦略マップを作るというもの。
時間の都合上、当日はワーク1,2のみを実施。
【ワーク1】
仮想の学校図書館における目標、ありたい姿を考える
【ワーク2】
戦略マップの作成:3つの視点の考え方
①利用者の視点 (現在)
②業務プロセスの視点 (現在)
③人材と変革の視点 (未来)
【ワーク3】具体的に実現するための方法
【ワーク4】目標値の明確化
[実際のワークの流れ]
参加したグループは、図書館システムを未導入の方もいて、図書館システムを使いこなしてサービスを向上させたいという目標をたてる。
で、図書館システムでできるサービス向上って何だろうと考えながら、図書館システムを導入して実現できることをブレストしながら付箋にメモっていく。
スムーズな貸出返却とか、クラス単位での統計が取れるとか・・・
ワークの流れとしては、ありたい姿を考えたのちに、利用者の視点を考えるのだが、ここでちょっと立ち止まる。
図書館システムには機能(発注・受入、貸出・返却、目録、資料検索、会計、蔵書点検、統計・・)はたくさんあるけれど、利用者向けの機能というのはあまり思い浮かばない。
考える考える考える。例えばシステムがあれば予約管理を少ない手間で実現できる。予約の機能を利用者の視点として見ると、読みたい本が必ず入手できるというサービスが受けられる。とも言える。
これで、利用者の視点(読みたい本の入手)→ 業務プロセスの視点(予約業務)がつながる。 人材と変革の視点は安直だが、図書館システムの操作研修を受けるとか。
こういった形で、様々な視点の関係性を結びんでいく作業を、最初にブレストしたものを元に繰り返していってまとめていく。
[感想]
普段つい目が行くのは、どんな展示をしていたとか、どんな読み聞かせをしたとか、目に見える形の工夫だけど、その背景となっている思考を人に説明できるようにしておくというのはやはり大事だと再認識した。
考え方の手法を学ぶという点では役に立ったけど、短時間のグループワークだと現場に落とし込めるような具体案に落とし込むまでは難しいなと感じました。
[おまけ]
石川先生の著作「図書館の現場力を育てる」
この本に戦略作りの話とかを説明しているとのこと。興味のある方は是非。
今見たら、Amazonの図書館関連書籍のカテゴリで1位でした。
研究会の内容は報告書という形で後日まとまるようです。
(ちゃんとした報告資料を書く宿題をもらった気がします・・)
バックナンバーも販売されているようです。
http://www.gakutokyoken.jp/education-in-the-school-library/