「ラーニングコモンズデザイン会議(春)〜動く場を考える〜」 参加記録

 「ラーニングコモンズデザイン会議(春)〜動く場を考える〜」
というワークショップに参加してきました。


ワークショップのテーマは、「パターンランゲージ」という考え方を用いて、ラーニングコモンズのあり方を多くの人と連携して考えていけるようにしましょうというもの。分かりそうで、分からない題材です。


実際に行ったのは以下の様な事。
・パターンの作り方を覚える
・図書館情報学図書館の見学
・ラーニングコモンズにパターンを作成


まずは、パターンの作り方を覚える。
大した説明もないまま、とりあえず見本見ながら作ってくださいという無茶ぶりをされる。
もっとも、各班ごとにフォロー役を担う方が配置されているのでなんとかなる。ありがたい配慮である。
パターンとは
 N:名前(Name) パターンが何を表わしているか。
 C:状況(Context) そのパターンが使われるべき状況。
 P:問題(Problem) その状況で起こっている問題。
 F:フォース(Force) 複数の力の流れ。2つ以上のフォースを旨く郷税することで、Sokutionが生まれる。
 S:解決策(Solution) その問題を解決する方法。
 R:結果(Resulting) その解決策を行うことにより、得られる結果。



続いて、図書館情報学図書館の見学
気になるラーニングコモンズを中心に色々見て回りました。
で、注目のラーニングコモンズのびみょ~なこと。
多分、大学全体と、図書館(員)、LCを運営する学生とか、係わる人同士の調整がうまくいってないんじゃないのかと。
図書館員の雰囲気とか、設備の違いとかをみると予算とかも別々なんじゃないのって言う様な違和感を覚える。なんというか、そう意味でバランスの悪さ全体的に感じさせる。
(私の勝手な想像なので、実際とのことはよく分からないけど。ステークホルダーの調整が難しいとか、うちの図書室の問題と一緒だ)



最後にラーニングコモンズにパターンを作成、発表
最初のパターン作成と違って、今度はチームみんなで考える。
集合知ってすごいねというか、良いパータンがちゃんとできる。一緒に参加してたメンバーがすごいのか。
発表資料の作成を字が下手という理由でこっそりさぼってたら、発表と言うしゃべる仕事が回ってきた。世の中うまくできている。


そんな感じのワークショップでした。


というわけで感想です。
パターン作成のワークショップということで、短時間でパターンを作ってしまうっていうスピード感に感心した。
状況把握から解決策という結論までがあっという間に出来あがる。
日常の会議なんかだと、リスク提起だの、実現性だのあれこれ意見が出て結論でるまですごい時間がかかるんだもん。


解決策、結果まで必要なパターンという形まで落とし込まなくても、問題となっている状況に名前を付けて呼び合うという行為は複雑な状況を共通認識する手段となりそうだと感じた。
もっとも、名付けた名前を共通言語にするには、分かりやすい名前を付けるとか、日常会話の中でその名前を使うとか色々工夫がいりそうだけど。


2011/6/17 追記
報告サイトができたそうです。継続して取り組まれるとよいですね。

知識情報処理技術に関するシンポジウム 「リンクするデータ・リンクするサービス」 参加記録

JEITA 知識情報処理技術に関するシンポジウム
「リンクするデータ・リンクするサービス」


ちょっと覗いてみたので、いい加減なメモと感想を載せときます。


主催 電子情報技術産業協会(JEITA) 知識情報処理技術専門委員会
日時 2011年3月1日



★特別講演1 「リンクするデータの現状と展望」
ゼノン・リミテッド・パートナーズ代表 神崎 正英 氏


<メモ>
 ■セマンティック・ウェブとリンクするデータ
 ・技術群としてのセマンティック・ウェブは複雑だけど、基本層(URI、RDF)だけでも現実的に利用できる。
 ・WWWが文書のハイパーリンクで発展したように、データ共有もリンクで発展する
 ・URIを識別だけでなくリンク(参照解決可能)にも用いる
 ■Linking Open Date (LOD)プロジェクト
 ・データのサイロからリンクする公開データへ
 ■データ共有のアプローチ
 ・項目名:スキーマの共有
  。著者と作者とcreator 横断検索やデータベース統合のために項目名を標準化
 ・データ値:統制語彙の利用
  。タグの付け方、値を共有
 ・対象:UNAとデータ名
  。ウェブではUNA(Unique Name Assumption 唯一名仮説)が成り立たない
  。対象実態が同じものに別の名前が使われる(書誌ID、登録番号)
 ■アプローチの色々
 ・LODのハブ DBpedia(Wikipediaの情報ボックスを中心に構造化可能なデータをRDFとして抽出)
 ・件名標目のウェブ WebNDLSH、LCSH
  。シソーラスを連携させる
 ・名称典拠
  。同姓同名の識別、同一人物の複数の名前(ペンネーム)の集約
 ・地名典拠としてのGeonames
  。地名にURIを与える
  ※地名の典拠は難しい。東京は東京都を指すのか、東京駅をさすのか
 ・音楽データの共有 MusicBrainz
 ■何がつながっているか、何がつながってほしいか
 ・シソーラス同士のつながりが中心
 ・Wikipediaで完結しても面白くない。いろんなコンテンツがリンクして思わぬ発見がある。
 ・多様なコンテンツがLODを介してつながらないか
  。BBCの記事や情報ページを内部LOD+DBpeadiaなどにリンク
  。HTML文書内に構造化データを埋め込む
  。FacebookとOpenGraphProtoco (いいねボタン連動)
 ■RDFaからLODへ
 ・多くのRDFaはLODになっていない
 ・relを使おう
 ■データの共有と品質
 ・データ品質の考え方
  。LODでリンクしているデータの品質は一様ではない(典拠もいいねも一緒)
  。語彙使用の正確さやリンク関係の適切さ、データ値の一貫性
  。データの更新(メンテナンス)
 ・問題あり?それがウェブ?
  。低品質のデータは、併合したり推論を行おうとすると破綻する
  。ウェブは不完全、つながることにまず意義がある
  。文脈抜きでの「意味」表現はもともとできない
 ・データ品質の管理
  。専門家によるデータ品質管理
  。ツールを使った品質向上:Google Refine
  。Wikiのような分散型


<感想>
不完全でも、まずつなげてしまおうというのがすごく良かった。
たどれない情報は、存在しないも同然であるし。発信された情報量が多い状況なので、少々乱暴でも人力ではなく機械的にリンクする仕組みは必要だと思う。


 
★特別講演2 「世界と日本におけるGov2.0の現在」
アカデミック・リソース・ガイド(株)代表取締役/プロデューサー 岡本 真 氏


<メモ>


 ■Gov2.0の要素-3要素での組成
  1.透明性(Transparency)
  2.参加(Participation)
  3.協同(Collaboration)
 ■Gov2.0の構成-2部構成の関係
  透明性→←参加・協同
  透明性がある程度整備されるにつれて、参加協同が増えていく。
  (情報公開が進むと、市民の参加が増える)
 ■海外でのGov2.0の動き
  ・2人のトップによる主導
   。イギリス:ブラウン前首相、アメリカ:オバマ大統領
  ・2人のティムによる呼応
   プラットフォームとしての政府 ティム・オライリー ティム・バーナーズ=リー
 ■日本でのGov2.0の動き
  ・中央省庁の動き
   。経済産業省を中心とした動き(アイデアボックス)
  ・研究機関、研究支援施設の動き
   。国立情報学研究所 CiNiiウェブAPIコンテスト
   。国立国会図書館 レファレンス協同データベースAPI腕自慢
  ・LODの動き
   。NII武田研究室を中心としたLODAC
 ■海外詳細動向
  ・The Commons
   。図書館、博物館、美術館、文書館×flickr
   。写真データにデータ付与
  ・Open311のウェブ化
   。Open311とは、ちょっと困った身の回りの相談を受け付ける窓口
  ・公開データに基づく官民の協同
   。政府から課題とデータの情報公開をするので、解決するシステムを作って
   。仕様書が先でなく、製品が先への
 ■日本の詳細動向
  ・経済産業省 オープンガバメントラボ
   。アイデアボックス、データボックス
  ・福島町議会(北海道) 議案、説明資料の事前公開
  ・横浜市統計GIS
   。統計情報の可視化と自動計算
   。Google/Yahoo!との連携 ←行政が民間のデータを使った事例
 ■日本でのGov2.0のこの先の課題
  ・リンクするデータからリンクするサービスへ
   。LODの潮流
  ・リンクするサービス
   。心理的、慣習的、制度的な壁の多さ
    特定サービスへの依存回避
    広告掲載サービスの忌避
    入札参加資格による調達方式の伝統
  ・政策課題への引き上げ
   。透明性の確保とアプローチ先の検討


<感想>
政府から情報公開→一般市民の参加の流れで、関与できる度合いが大きくなるのは、単純に、選挙で一票いれるだけということに比べて政治参加へのインセンティブが大きいと感じる。
さすれば、人任せでないハッピーな社会へつながるか。


★特別講演3「日本におけるLinked Date の課題とその解決への試み」
国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系・教授
学術コンテンツサービス研究開発センター長 武田 英明 氏


<メモ>
 ■情報循環
 ・情報は過去の情報を利用して作られる
  。無からは生じない
  。収集→利用、創造
 ・情報の価値は利用されてこそ生じる
  。使われない情報には意味がない
  。利用、創造→公開
 ・情報の共有は社会の基盤
  。情報流通は社会の健全性の源
  。公開→共有→収集
 ※Web時代の循環スケール 高速、大量、大人数(分け隔てなく)
 ■セマンティックWeb 人による循環から人と機械による循環へ
 ・これまでのWeb(HTML)は人による理解のための情報としての記述
 ・セマンティックWeb 人とコンピュータ双方が利用できる情報として記述
  。メタデータによる記述
  。オントロジーによるメタデータの構造化
 ■Lined Date
 ・RDFで公開されるデータ
 ・外部から参照可能
 ■Linked Dateにおける公的機関の重要性
 ・もともと共有すべき情報、社会の知識基盤
  。図書館、美術館、博物館、文書館、政府
 ■Linked Dateの日本の課題
 ・共有文化の欠如
  。公開に関する意識の薄さ 公開と共有の文化、公共性の違い
 ・Linked Dataコミュニティの未発達
  。文理共同の必要性
 ・中心的データの欠如
  。Dbpediaは Linked Dateの中心
 ・日本語の取り扱い
  。IRIを使えば文字コードとしては原理的にはOKだが、特殊文字や各種ツールの対応が問題になる
  。メタデータは日本語?英語?→目的で分けよう
 ■LODAC Priject
 ・学術リソースのためのオープン・ソーシャル・セマンティックWebの構築
  。Linked Dateの基盤を作る
  。実際にデータを集め利用可能にする
 ■LODAC-Museum(仮)http://lod.ac/
 ・美術館、博物館情報を集めて関係づける
  。日本の美術館、博物館の現状 分散、透明性がない
 ■LODの発展の方向
 ・様々な分野のデータがつながることでデータの新しい価値
 ・一つの主題に関わる情報集約
 ・一つの場所に関わる情報集約
 ・様々なコミュニティからの情報集約
 ・集合地とのつながり
 ■LODの応用例
 ・関連資料をめぐる日本縦断ツアー
 ・地域とイベント情報による展覧会+αの情報
 ・資料に登場する歴史メニューが食べられる
 ・ゲームやドラマに使用された資料奇跡


<感想>
技術と社会の共同作業。実際の利用ケースまで落とし込んでこそ価値が出てくる。
LODAC-Museumという目に見える形に落とし込んだことで、色々な人が興味を持って関わると思った。


★特別講演4 「DataWikiを実現するWedataの構築と運用」
(独)産業技術総合研究所 社会知能技術研究ラボ 研究員 江渡 浩一郎 氏


<メモ>
 ■集合知とは何か
 ・集団的知性 多くの個人の協力と競争の中で集団自体に知能、精神が存在するように見える。
  。従来の知の延長上にある
 ・群衆の知恵 普通の人の判断を積み重ねると、専門家を超えることがある 
  。権威主義へ反対する傾向にある
  ※両者の意味が混じって使われる
 ■オンライン議論 事例
 ・IBM Innovation Jam
 ・経産省 アイデアボックス
 ・文科省 熟議カケアイ
 ■集合知データベースの必要性
 ・対応情報はサイト毎に異なり、Webページ構造が変化すると対応情報も変化する。
 ・誰でも対応情報を追加、編集可能ににし、Wikiを参考に、集合知で解決する
 ■DataWiki方式
 ・Wikiと同様に様々なデータを集合的に追加、編集可能なデータベース
 ・日々変化する情報を外部に出したい、様々なサイトの情報を外部から扱いたい場合
 ・ユーザーが自分自身の手で任意のデータを追加、編集できる
 ■DataWiki方式の利点と欠点
 ・必要なデータをユーザー自身で追加、編集できる
 ・Webページの変更で動作しなくなった場合でも、ユーザーの手で修正できる
 ・開発者はアプリケーション開発に専念できる
 ・大量の対応情報を集め、維持できる
 ・荒らし、編集合戦など(WIKI同様の欠点)
 ■利用者参加を促すために
 ・ユーザーの参加意識を促すことが重要
 ・自分の使いたいWebサイトが対応していなかったら、自分自身で対応させられることを伝える
 ・一人一人の少しの参加が全体の利益になるように
 ・参加への敷居を下げる
 ・OpenIDによってログインを容易に
 ・使いやすいWebインターフェース
 ・APIで外部インターフェースを可能に
 ■Wedataの概要
 ・DataWiki方式を実現した集合知データベース
 ・利用者は独自のデータセットを定義できる
 ・データセット製作者のみがスキーマ変更できる
 ・データの追加、編集、削除は誰でも可能
 ・OpenIDによるログインをするためspamはない
 ■AutoPagerizeとは
 ・Wedataの活用
 ・Webサイトでページの自動継ぎ足しを実現するスクリプト(次へをおさなくていい)


<感想>
集合知を生かした、課題解決への取り組みは面白い。
簡単に参加できますよという事を示してあげることがすごく重要だと感じた。
メリットに対してコスト(手間)やスキルが必要なんじゃきっと参加しない。


★パネル討論「日本の戦略」の論点
東芝 木下 聡 氏


<メモ>
・リンクされていないデータを緩く結合する仕組みが必要
 。Linked dateは永遠に全データの一部
・データを賢く使えそうな仕組みは十分か
 。パブリックなデータを核として
 。悪意、ゴミデータの排除の仕組みは
・メタデータにおける言語の問題
 。知識の表現は言語と表裏一体
 。日本語の問題はどうするか?
・普及に向けた社会的問題
 。社会的基盤として活用する際の障害はないか
  変えるべき法律はあるか
  政策的な活動はいらないか
・Linked Dateをどう増やすか
 。Wikiはなぜ成功したのか
 。データが先かアプリが先か
 。パブリック(公共)主導か、プライベート(民間)主導か
 。新しいビジネスモデルが必要か
 。有料か無料


富士通研究所 津田 宏 氏


<メモ>
■何かビジネスの役に立つLODの活用に向けて
・LODがないとできないアプリは?
・メタデータデッドロック
 。メタデータが充実してればよいサービスが提供できる
 。よいサービスが提案されれば、データ作成頑張る
・セマンティックWebを使った情報結合の結果から
 。面白そうだけど、何できるの
 。事例:滋賀銀行 リレーショナルバンキング
  データを提供するだけでなく、アプリが重要
・情報のいきつく先は「人」
 。セキィリティ、プライバシーへの配慮は避けられない
・LODを安全に利用したい(何をやっているのか外部(競合他社)にばれないように) 
・情報の正確性が重要←気づいた人が簡単に修正できる仕組みが必要


 

3DSで図書館応援メッセージを

 ついつい緊急入荷しましたの声につられ、ニンテンドー3DSを衝動買いしてしまいました。
ソフトは「レイトン教授と奇跡の仮面」を買いました。


ほんとはマリオで遊びたいんだけど、任天堂のソフトしか売れないと、サードパーティがソフトを提供する気力がなくなるんだとかで、新機種発売に合わせてマリオは発売しなかったらしい。


さて、国会図書館はゲーム収集しているし新作ゲームの納品ってどうなってるんだろうかと思って、とりあえず区分を電子資料にしてNDL-OPACで検索してみた。3DSと同時発売の新作は全然Hitしない。まぁ予想通りだけども。
ただレイトン教授は人気シリーズだというのに過去のシリーズもHitしない。全然収集していないのか、データの整備をしていないのか。


なんだか悔しいのでレイトン教授の元ネタ的存在ともいえる「頭の体操(多湖輝著 )」を検索してみる。
電子資料ではHitしなかったが、和図書の区分ではHitした。と思ったら第17集、第18集とかは見当たらないけど。
小学生の時に夢中になった思い出深いシリーズなので紙媒体の資料くらいは頑張って収集して欲しい。


どうも国会図書館のゲーム収集は微妙なようで。DSでは結構電子書籍が出ているのだがほとんどHitしませんでした。
赤川次郎ミステリー とか、西村京太郎サスペンスとか、みんなで読書シリーズとか実は色々でてるんだけど。



まぁそれはさておき、色んな事ほったらかして3DSで思いっきり遊んでます。
本体に内蔵されている、すれちがいMii広場というゲームで図書館応援メッセージを伝え歩いたりとかね。

雑誌にバーコード貼ってます

 図書館の近況報告と行きましょう。


もっぱら最近は、雑誌のバックナンバーを遡及で整備しています。
見学者がやってきた際に、散らかし放題になってたアレです。


雑誌は全部で500冊ほど。
雑誌に関しては数年で廃棄するとか、製本するから装備はしないという図書館も結構あるようだが、
うちの図書室はバーコードを貼るだけというシンプル形だけど装備をする事にしています。
仕事で会社内で使う資料は比較的利用されているが、時間をかけて読みふけるような類の資料と言うのは今一つ利用率が低い傾向にあった。
色々聞いてみたところ、会社の資料を自宅に持ち帰っていいの?という疑問があったようだ。
その為、仕事中に堂々と読める業務に直結する資料以外は利用されにくいという事らしい。
そんな訳で、今までも定期的に取っていた雑誌は一部の人だけが利用するという状態になっていた。


しかし、貸出管理を行う事で、誰が今資料を利用中だと分かると言った監督下に置かれる様な状況の方が返って資料の持ち出しを容易にするようだ。
ということで出来れば多くの人に活用してほしいという思いを込めて雑誌も貸出管理が出来るように装備を行っていると言うわけです。



ただし、マンパワー不足とのころもあり、雑誌の特集記事を登録するとかのデータにまで正直手が回っていないという状態でまだまだ雑誌の整備には時間がかかりそうです。

アーキビスト・カフェ【第11回】「文学館研究から見るMLA」 参加報告

 アーキビスト・カフェ【第11回】「文学館研究から見るMLA」に参加してきました。


博物館(Museum)・図書館(Library)・文書館(Archives) Aだけは一般市民向けでなく、研究者向けという感じがしていたので、MLAのどの領域も学問的に学んだことがない私には敷居の高さを感じいたのですが、アーキビスト・カフェに関して言えば杞憂にすぎませんでした。
主催者、参加者とてもフレンドリーな感じでした。


発表についての概要
「文学館研究から見るMLA」:岡野裕行さん


●文学館研究へ至るまで
 ・数学と国語が好きで、理系でも文系でもない図書館情報大学に進んだ。
 ・学部時代は文学の研究をしたが、文学と図書館情報学を繋ぎたいという意識がある。
 ・書誌(学)は文学と図書館情報学を結ぶキーワード
 ・調査の為に文学館に赴くうちに文学館そのものの研究を始める。


□図書館情報学の世界に、文学館研究と言う視点は今まで無かったが、文学館の抱える課題などは図書館と共通する部分は多く、図書館情報学の中で研究対象として捉えるものとして問題提起したい。


●MLA連携について
 ・MLA連携と言っても、外なるMLA(連携)と内なるMLA(融合)がある。
 ・文学館は1施設で展示、保存、情報提供を行うので内なるMLA(融合)という性質
 ・でも、M、L、Aのいずれでもないので、MLAでない適切な言葉(表現)を模索
 
□文学館の研究はいろんな分野(図書館情報学、博物館学、アーカイブ学、近代文学…)と係わるので各分野をつなげる活動をしながら、学問的な領域を確立していく。


感想
内なるMLA(融合)という考えをあまり意識した事がなかったが、1施設でMLAの要素をすべて持つということは資料の見せ方(活用の仕方)を選択できる面白みがあると感じた。
資料の見せ方を選べるという事は、お金の集め方を選べるという事でもあると思う。
資料展示に力を入れて幅広く利用者から集める。観光スポットとしての役割を果たせれば地域一丸の経営を望める。情報提供に力を入れれば研究者からの寄付金を集める事が出来る。・・・
資料を長期的に保存をしていくにはお金が必要で、その費用のすべてを各自治体からの援助だけでは足りなく各施設でしっかりとした経営を行う事が必要だとやっぱり思うので。


個人的には、あまり文学研究に興味はなく研究者視点ではなく、1市民なり、1観光客としての視点で考えてしまうのだが、そういう意味では文学館もちょっと敷居の高さを感じる。
前提知識がないと楽しめないという展示だと、みんなで観光しようという気にはなれない。
トリックアート展のような、作家とか作風とか知らなくてもわいわい楽しめちゃうような体験的な要素があると嬉しいのだが。


会場となった賀川豊彦記念・松沢資料館の展示で興味をひかれた資料の写真を載せておきます。
化学将棋 原子カルタ 星図カルタ ルール覚えるまで大変そうだけど面白そうだ。
星図カルタ化学将棋

スマートフォンで蔵書点検

2017/01/25 アプリの使い方が変わったので内容修正

続編も書きました。スマートフォンで蔵書点検 再び http://nagumonn.uhyohyo.pupu.jp/?eid=104

 

 

スマートフォンのアプリで蔵書点検機(ハンディーターミナル)があれば安上がりなのにと思いつつ、自分で作るスキルを持ち合わせてないので誰か作ってないかなぁと思い、最低限以下の3つの機能があるものを探してみたところ・・・
・ISBNやJANだけでなく自分で作ったバーコードが読める事
・連続読み取りが出来る事。
・CSVなどで出力できる事

 

発見しました。Android用の「QRコードスキャナー」というアプリです。
色々ネットで調べて結局見つからず、諦めかけてたんですが・・
自分のXperiaにインストールされていたアプリの設定を眺めていたところ、出来るじゃんという感じでの発見です。

 

 

と言う事で蔵書点検機としての使い方紹介

 

 

・事前準備 右上の…から設定を開き"連続スキャンモード"をONにします。
・その1 バーコードを読み込みます。
・その2 履歴→共有マークからGmailやDropBoxなど任意のアプリでファイルを取得します。
・その3 履歴→ごみ箱を選択して履歴をクリアします
以下その1からその3を繰り返す。

 

・その1 設定を開き"バルクモードでのスキャン"をONにします。
・その2 バーコードを読み込みます。(読み込み前に、歴史を開き"削除履歴"を必要に応じて行います。)
・その3 歴史を開き、"歴史の送信を"開きます。(このタイミングでSDカードにCSVファイルが作成されます)
     SDカードの中にBarcodeScanner→Historyフォルダの中のhistory-1297911094105.csvという様に作成されます。
・その4 開いた歴史をキャンセルします。
・その5 端末をパソコンとUSB接続し、SDカードのファイルを取り出します。

 

 

CSVファイルの中身は、読んだバーコード以外の情報が含まれているのでエクセル等で必要に応じて編集してください。
下記の様な感じで出力されます。
"読んだバーコード","読んだバーコード","バーコードの種類","何かの数字","読みとった時刻"

 

 

百聞は一見に如かず、「QRコードスキャナー」は無料アプリなので興味がある方は試してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

お酒と読書のハーモニー

気づいたらTwitterでNIKKA_bardoku(ニッカウヰスキーのバー読)からフォローされていた。
私が呑んだくれだと知っていたのだろうか?


日常的にお酒を飲みながら読書する習慣があるのだが、バーではなく家飲み派です。
バー読の経験もあるのですが、どうも一人でお店で飲むというのが性に合わないようで、バー読経験は1度きり。
その時はBeerBarだったのでウィスキーではなくビール片手に小説読んでました。


たまたま手元にあったミステリー小説を読んだのですが、個人的にはバー読に小説は向いてないんじゃないかとその時思いました。
顔なじみの、店員さんに話しかけられたりと途中でちょくちょく読書が中断するし、飲み仲間があとからやってくるなんて状況も考えられるわけで。
どっちかというと気軽に読書を中断しやすい雑誌なんかの方がよいのかなと思ったり。


お酒の方に関しては、ビールよりウィスキーの方が読書向きだと思います。なんかビール飲むとトイレ近くなるし。


なんにせよ、お酒も本も大好きです。
わいわい飲みながらの読書会っていうんだったら参加したいなぁと思っているところです。


さて、今日もこれから読書です。ちなみに、おともはビールでもウィスキーでもなく、冷凍庫で冷やしたジン(ボンベイ・サファイア)にします。

#calil

 カーリルの中の人の以下の様なツイートを目にした。


カーリルでは、収益確保のため利用者のみなさまにお金をだしていただく方法を検討中です。これにより健全な運営とさらなる発展をめざします。

どうやら今のビジネスモデルじゃやっていけないようだ。
カーリルの収入源はAmazonのアフィリエイトという事だったので、勝手ながらちょっと試算してみよう。
Amazonのアフィリエイトは最大で売上の8%。ちょっと前のデータだが書店の一人当たり売上一位は、文教堂の約4600万とのこと。
カーリルも一人当たり売上が同じくらいになったとしても年間の収益は一人当たり368万円。そこから諸経費を引いて6割程度手元に残ると仮定すると利益はたったの220万ほど。
さすがにこれじゃカーリルだけで食ってはいけない。もっとも、カーリルを宣伝に、講演とか受託開発で稼ぐっていう選択肢もあるかもしれないが、そういうのは健全じゃないという事になるんだろう。



せっかく面白いサービスを提供してくれる方々が図書館の世界に現れたのでしっかり応援していきたいところ。
今後も新しいサービスを図書館の世界にもたらす方々の為にもちゃんと考えないといけない課題ですね。


カーリルの対象は主に公共図書館だけど、公共図書館(または図書館員)からお金を得るのは厳しいだろう。
根本となる財政基盤がガタガタだし、人件費削減でアルバイトスタッフばかりの図書館ではカーリルのせいで仕事が増えたと迷惑がっている人も多そうだ。


やはり、カーリルを使っている図書館の一般利用者からお金を出して貰うという選択になるのだろう。
素直に考えるならカーリルプレミアムといった感じのプラスαの機能を提供する有料会員サービスになるのだろうか。


例えば、新着情報のアラート機能などで新刊をいち早く予約できる情報サービスとか。
検索結果の並び順の重みづけを調整できるとか(出版年月日を優先するとか、貸出されていない資料を優先するとか)。


うーん。いいアイデアがすぐに浮かばない。
まぁ儲かるアイデアがあるなら自分でやっているさ、というベタな文句でアイデア不足を隠しておこう。


なんにせよ、新しいサービスで図書館を盛り上げていくという事は、一時的に図書館員の負担を増やしても、結果として図書館を取り巻く状況を良くするはずだと信じている。
もっと面白いサービスを提供してくれると期待しています。


(バナーに住んでいるデューイのキャラクターグッズ販売してもいいんだからね。)

なんだこれ

先日、箱根の彫刻の森美術館でちょっと変わったブックエンドを見つけたので図書室に配置していたのだが、今朝図書室をのぞいたところ、誰にかにいたずらされゲッツになっていた。


本来は、指同士を向かい合わせるように配置するものなのだが・・・
でも、お茶目なサプライズは嫌いじゃないよ!
ゲッツ

カーリルローカルる

 カーリルがまた話題を呼んでいるとのことで、リリースされたカーリローカルを試してみた。


今まではamazonに登録されていた資料だけしか検索できなかったけど、今度はすべての資料が検索できますよって言う事と、自由な図書館の組合せで横断検索できますよという事らしい。


まずは、標準で用意されている都道府県を選んで、適当に横断検索をしてみた。書名、著者名、出版社、出版年月日が表示され、詳しくは各OPACで見てねと言う事らしい。まぁはフツーだね。


気になるのは、該当OPACではHitしないのに、カーリル経由だとHitする資料とか。色んな意味で大丈夫なんだろうか。


次に、横断検索を自分でカスタマイズして使えるってのを試してみた。正直これは使いこなせない・・・
ふれこみでは、・海の見える図書館横断検索とか・小田急線沿線横断検索が作れちゃうぜという事だったが、選択する図書館を図書館名でしか検索できないんだもん。「小田急」で検索すると候補0館だし。
(カーリルの図書館APIとGoogleMap連動したアプリがあった気もするから、頑張ればできるのかもしれないけど)


もっとも、他の人が作って公開したものを使えるので頑張って作らなくてもいいわけだが、こうなってくると横断検索を検索する機能とかが欲しくなってくる。



今の時点では、未対応やエラーが多くてβ版?って感じだけれど、Hitしなかった時に「ほぼ見つかりませんでした。」という中途半端なコメントがなんとなく好きです。



やっぱりカーリルで気になるのは、どうやって儲けてるのってとこだけど、その話は今度にしよう。