図書とするか雑誌とするかそれが問題だ

本を読み終えるたびにブクログに登録するようにしている。同じタイトルの本が並ぶと面白みが欠ける気がして雑誌と漫画は登録しないことにしている。
ただ、一冊だけ予期せず雑誌として登録されてしまった本がある。Story Seller Vol3だ。どうやら小説新潮の別冊という位置付けのようだ。
実際この本に限らず、別冊とか臨時増刊号など図書とするか雑誌にするか悩ましい本はたくさんあるだろう。

NIIが提示している「目録情報の基準」をちょっと覗いてみよう。
http://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/MAN/KIJUN/kijun4.html

2.2.1 図書と逐次刊行物

 本基準において図書とは,いわゆる図書及びパンフレット等の印刷資料には限定せず,さまざまな資料形態の単行資料全てのことをいう。また,逐次刊行物とは,資料形態の種別にかかわらず,終期を予定せずに逐次刊行される資料全てのことをいう。
 すなわち,両者の区別は,対象となる資料の刊行方式にのみかかわる。なお,本基準においては,逐次刊行物を雑誌とも呼ぶ。
 モノグラフシリーズ等,両者の境界領域の資料は,双方のファイルにレコードを作成することが望ましい。すなわち,図書ファイルに一つ一つのモノグラフのレコードを,また,雑誌ファイルにモノグラフシリーズ全体のレコードを作成する。
 ただし,境界領域の資料について,参加組織が一方のレコードのみを作成する場合は,以下の基準によることができる。

原則として図書扱いとするもの
 モノグラフシリーズ,刊行頻度の極度に低い逐次刊行物,差し替えを行うルーズリーフ出版物,等

原則として雑誌扱いとするもの
 年報(モノグラフシリーズを除く),年鑑,要覧,Advanceもの,等

解説(図書ファイルと雑誌ファイルの違い)
 境界領域の資料の個々の巻号に「固有のタイトル」が存在する場合,図書書誌ファイルにおいては,個々の巻号の単位がレコード作成単位となる。
 一方,雑誌書誌ファイルにおいては,レコード作成単位は逐次刊行物書誌単位であり,個々の巻号の情報は記録されない可能性が高い。
 したがって,個々の巻号の単位の書誌情報の記録・検索を保証するためには,図書扱いが望ましいことになる。
 逆に,個々の巻号に固有のタイトルが存在しない場合,図書ファイルにおいては,個々の巻号の所蔵状況の検索は困難である。従って,所蔵情報の記録・検索を保証するためには,雑誌扱いが妥当である。

どっちともとれる本は図書にも雑誌にも登録しとけ。どっちか選ぶときは検索しやすい方にしとけ。と言っているようだ。
図書としても雑誌としても受け入れるよだなんて懐が深い。さすがNACSIS-CAT。

ただ実際のところCiNii Booksで色々検索してみても、図書と雑誌と両方に書誌登録されている本はあるけれど、
図書館それぞれ、どちらかに所蔵をつけているようだ。図書と雑誌の両方に所蔵登録をつけているケースは見当たらない。(※)
データではなく現物を扱う事を考えれば、図書館としては保存期限とか貸出ルールとかを考慮しながら図書か雑誌のどちらかに決めるしかないのだろう。
たいていの図書館システムでは、図書と雑誌両方にデータ登録なんかしたら、蔵書冊数が合わないだの、蔵書点検で不明本が出ただのとトラブルの元だしね。

ところで、この図書とも雑誌ともとれる本にコピー請求した場合はどうなるんだろう?
国立国会図書館の案内「著作権にかかわる注意事項」からコピーできる範囲について一部抜粋しよう。
http://www.ndl.go.jp/jp/service/copy/copyright.html

・単行本 本文の半分まで。
目次についてはその全部。「はしがき」や「解説」があればそれぞれその半分まで。
・雑誌・新聞(最新号を除く)に掲載された個々の論文・記事については、その論文・記事全部を複写できることになっています。

 

図書と雑誌で受けられるサービスが違うのだ。翻してみると著作者の権利が守られる範囲が変わってくるということだ。
色々なことを含めて考えると、図書か雑誌をどうやって決めるのかだけでなく、そもそも誰が図書か雑誌を決めるのかなど気になってくる。

誰か詳しい人いたら教えてください。

 

(※)追記:個別タイトルを持つ雑誌は、図書と雑誌両方に所蔵をつける館もあるそうです。調べが甘くてすみません。

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