ハウステンボスに一人で行ってきた話

ドラクエウォークのお土産集めの一環でひとりハウステンボスである。テーマパークにおじさん一人というのはちょっと躊躇するところもあるが、せっかくなのでガッツリ楽しむ方向で計画する。

ハウステンボスは日本一広いテーマパークという事で、遊び周りには結構時間を要する様だ。夜はイルミネーションが綺麗との情報もあったので1泊2日での探索しよう。都合よくオフィシャルホテル宿泊者専用1.5daysパスポートというのがある。オフォシャルホテルに該当する施設はいくつかあるのだが、どこもツインルーム以上の部屋しかなく、一人で泊まろうとするとかなり割高。Gotoトラベルで半額補助と考えれば通常のひとり分くらいの金額だと自分を納得させる。幸いだったのはJTBで電話予約した際にチケットの手配も一緒にできて、そちらもGotoトラベルの補助対象になった。電話とか窓口とか面倒だけど、観光先が決まっているならまとめて頼んだ方がお得と学んだ。(深くは言及しないけど、店員さんの口ぶりからはオフィシャルホテルに泊まらなくてもチケットの手配できるっぽい。)

他の旅程の関係もあり、ハウステンボスへはJRで向かう。ホームに降り立った瞬間広がる光景に息をのむ。運河の向こう岸が別世界だ。

はやる気持ちを抑えて一旦宿に荷物を置いてくる。宿泊先は「変なホテル」だ。ヨーロッパ風の直営ホテルも気になったが、ロボット運営の変なホテルは前から気になっていたのでこちらを選択。チェックインの手続きはアンドロイドがしてくれるけど、検温のために奥から人が出てくるのはコント感が否めない。

ハウステンボスはオランダをイメージして作られた施設というのは知っていたが、入場するとなるほどという感じの風景が広がる。

散策をしていくうちに混沌とした場所だという事が分かってくる。場外馬券場らしき施設もあるし、等身大パトレーバーも登場する。

散策ばかりだと始まらないので、とりあえず適当に建物に入ってみる。塗り絵したり、トリックアート見たり、ショート映画みたり。それなりに面白いけど、どこでもあるなという印象で特別感はない。

そんな中でふと気になったのが宝塚歌劇団チックな看板。宝塚に熱狂的な知人の顔がふと浮かび、せっかくなので覗いてみる事に。「凛々しき心~ハートフルレビュー」という演目で忍者の掟と恋愛がテーマ。ストーリは微塵も面白くなかったが響く声に圧倒されて最後までちゃんと見てしまう。プロの演技は人を惹きつける何かがあるのだろう。

歌劇を楽しんだところで、暗くなってきたので晩御飯。食事処はたくさんあり選り取り見取りだが、結局ビールとソーセージの組みまわせ。オランダじゃなくてドイツスタイルだけど気にしない。途中でサンタクロースが入ってきたけれど、別に盛り上がりもせずなんだか哀れ。

食事を終えたら再び散策。ライトアップされているので、昼間見た景色とはまた違って楽しめる。遠くに輝く観覧車が目に留まったので、行ってみると結構な順番待ちの列ができている。コロナ対策でゴンドラは1台置き、乗車は2人までの制限をかけているので入場者が少なくても多少の混雑は避けられないらしい。

遊園地に順番待ちはつきものだと思って20分位待つ。売店でホットワインでも買ってから並べばよかったかなとちょっと後悔。

観覧車なんていつ以来だろうか覚えてないけど、やっぱり上空から景色を眺めるのは気分がいいと実感。

閉園まではまだ時間があるが、ホテルでタオル付の入浴券をもらったのでハウステンボス温泉浴場へ向かう。黄金と水素の湯という名称だったので、どんな所なのかと思ったがいたって日本的な温泉施設だった。黄金風呂と水素風呂は別料金らしい。泉質は茶色の濁り湯で少ししょっぱい。海の近さを感じる湯である。

半日散歩して酒飲んで温泉入って結構満足なのだが園内はまだ半分も廻れていない。ハウステンボス広いな。

二日目は朝から入園である。オフィシャルホテル宿泊者向けのサービスとして開園時間の少し前から裏口入園できる。まったく混雑していないのでメリットはほぼ無し。変なホテルからの入り口はアドベンチャーパークだったので、開園時間と同時にシューティングスターというジップラインに乗る。海外の山岳地帯で移動手段として利用している映像は不安に駆られたが、日本のアトラクションであればスリルより疾走感が上回って楽しい。結構スピード出るので乗車時間が短いのが残念だ。

他にも色々アトラクションはあるのだが、冬の寒さで体を動かすのが面倒になりアドベンチャーパークは早々に立ち去る。修学旅行生はとても楽しそうにはしゃいでいるが、そこに混ざって遊ぼうという気にはならない。

園内の移動手段は色々あるのだが気になっていたカナルクルーザーに乗ってタワーシティを目指す。運河を移動しながらヨーロッパ風の街並みを眺めるのが優雅な気分だ。

タワーシティの上は展望室になっており眼下の見えるは港町。船が多数停泊していて、そのまま釣りにでも出たくなる。よく見るとワンピースのサウザンド・サニー号がらしき船がいるので行ってみる。人気スポットの様でテンション高い声船内に響き渡っている。船へのこだわりはここが造船で有名な佐世保ゆえだろうか。1dayパスポートで無人島行きの船にも乗れたりするしすごい。

端っこまで来たので、再び園内を散策。街を再現という事で教会もゲームセンターもあるし酒屋もある。そう言えばハウステンボスの住居を購入して実際に住むこともできるってガイドさん言っていたな。飲食や物販もテナントだろうしある意味ほんとに商店街とも言えるな。歌劇団とかの採算どうなっているかよく分からないけど。

結局お昼を過ぎる事にだんだん疲れてきて、風景にも飽きてきたのでお土産店をまわって帰る事にした。隅々まで回って堪能しようと思っていたけど時間より体力が持たなかった。アトラクションの待ち時間がほとんど無かったので十分に遊べたけど。15時ごろに締めとして再び温泉に行ったら、地域のおじいちゃん達だらけだった。観光客収納できる広い風呂設備にのんびり入れて600円なら集まるよな。

ひとりでハウステンボスを楽しめるか不安はあったが、そんなのは全くの杞憂で思いっきり楽しめた。一人遊園地のハードルの高さは、周りがグループ行動している中で一人で過ごす孤独感みたいな所だと思うが、コロナ禍の平日ではあまりにも人口密度が低く周囲の姿や声が入ってこないのでそういう感情が湧く余地もない状態だった。

ともあれ、一度ひとり遊園地を経験して不安がなくなったので、またどっかに遊びに行こと思う。富士急ハイランドかな。