とある新入社員との会話

 「会社の図書室って意味あるんすか?
つまんなそうな本ばっかりじゃないっすか。」

・・・生意気な新入社員が入ってきたもんだ。
図書室の恐ろしさを教え込まねばならんな。

「会社の図書室ってのは、社員を合理的に教育するための機関なんだよ。
君は新人研修に参加中だと思うけど、その研修には講師を呼んだりと費用がかかる。
それだけじゃない、研修に参加している時間、つまりその時間を使って稼げたはずの利益という隠れたコストがかかるんだ。
図書室はというと、資料を購入するには費用がかかる。しかし読書をするのは社員のプライベートな時間なんだ。
つまり、研修と違ってその分のコストをかけずに社員を教育できるって寸法だ。」

「ずりーっすね。つったて俺、勉強嫌いっすから本なんて読まないっすよ」

「これから本格的に働く君には実感が持てないかもしれないけれど、仕事をするにあたって必要な知識・情報の多くは図書室にある資料から探せるんだ。
これが何を意味するかと言うとね、図書室にある資料を見もせず、知らない・分からないという事は通用しないってことだ。
図書室を利用せずにそんな事を言っていると、会社は君に怠慢という評価をするだけなんだよ。」

「・・・」

「まず君の場合はビジネスマナーから学んだ方がいいな。はい、<サルでもわかる敬語入門>。
そうそう、君はいずれ出世して偉くなるつもりなんだろ。
この図書室は、新入社員から社長まで満足できる品ぞろえになっているから、遠慮せず一生学び続けてくれたまえ」

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